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不妊症・子宝相談

中医学では、西洋医学とは全く違った観点から女性の不妊の原因をおおむね以下のようにとらえ、それらに対しておのおの治療法があります。

腎虚(じんきょ)    
子宮卵巣の発育不全、ホルモン分泌不足や早すぎる老化が原因。このタイプの人は、生理が遅れたり、生理の量が少なかったり、下腹が冷えたりする人が多いです。そして、性欲が減退したり、腰や足がだるい、夜中にトイレに起きる、耳鳴りがするなど、若いのに老人のような症状があることもあります。
ホルモンの分泌が良くなるように、生殖器の働きを高める漢方薬を使います。

気血両虚(きけつりょうきょ)
エネルギー不足、血の不足、栄養不足による子宮や卵巣機能の低下が原因。顔色に血色が少なく、痩せていて疲れやすい、生理が遅れる、胃腸が丈夫でない方に多いです。
エネルギーや血がもっと出来るような漢方薬を使います。

陰虚血熱(いんきょけつねつ) 
体質や慢性病や熱性疾患、出血になどよって相対的に体液血液が不足の状態になっているために、子宮に熱を生じているもの。頭がふらつく、口や咽が乾燥する、夕方から夜になると体がほてり寝汗がでるなどが特徴。流産のあとにも発生しやすいです。
体液や血液を補って、ほてりを冷ますような漢方薬を使います。

肝気鬱結(かんきうっけつ) 
ストレスによりホルモン分泌や子宮卵巣の働きがおかしくなる。生理の周期や量が一定でない、経血が紫色で塊が混じる、生理痛がひどい時と軽い時がある、生理前に胸が張って痛い、イライラ、怒りっぽい。
ストレスによって、血液の流れやホルモンの分泌が悪くならないように、改善する漢方薬を使います。

痰湿(たんしつ)    
皮下脂肪などの圧迫や太りすぎによるホルモンバランスの悪化。肥満、無月経または不順、白いおりものが多い。水分代謝が悪くむくみやすい。
水分代謝を良くしたり、脂肪を除くことで体の機能を正常にさせる漢方薬を使います。

血淤湿熱(けつおしつねつ) 
子宮に炎症があって古血がたまりやすい。子宮内膜症など。生理の時に下腹が痛みが悪化する、微熱、生理の期間が長い、月経血に黒い塊が混じる、悪臭のする黄色いおりものがある。
子宮の炎症や古血を除き、正常な状態にする漢方薬を使います。

このように、体質、原因が変われば漢方薬も変わります。漢方療法では、体のアンバランスを是正して、妊娠しやすい健康な体にしていくわけですから、不妊症以外に生理痛や生理の前後の不定愁訴があれば、それらも同時に軽快していきます。  

お体に優しい漢方

検査では全く異常がないのに赤ちゃんが出来ない

不妊症の全体の3~4割は検査で異常が無い原因不明(機能性)不妊ですが、そのような方でも、東洋医学的に診ると体がアンバランスになっています。

例えば、月経が不順だったり、生理痛がひどかったりしませんでしょうか?もしそうであれば、検査では正常でも、これらの症候を除き、より良い状態で月経が来潮するようにすることで、結果的に子宮卵巣の働きやホルモンの分泌を高めるようになるような治療をすることが、東洋医学的には不可欠になります。これによって、結果的に着床障害という状況も改善されるわけです。

また、同時に子宮の内膜が充分に厚く、軟らかく、子宮内部は暖かく、血流が充分で栄養がしっかり供給される状態でなくては妊娠しません。また、卵巣も卵胞の成長が順調で、スムーズに排卵し卵管の通りが良くなければいけません。こういった妊娠に必要な体をつくるということが最も重要で、漢方ではこのような体質をつくることを目標にします。

ストレスの影響があれば、月経前にイライラしやすく胸やおなかが張る、経血量が多かったり少なかったりする、生理痛もひどいときと軽いときまちまちである、月経が早く来たり、遅く来たりまちまちである等の症候が1つや2つは出てきます。ストレスの影響については、西洋医学的には見落とされていて対処法がありません。漢方の独壇場です。

 

 

基礎体温表はつけていますか?

正常な基礎体温

右図のように、温度差が0.3~0.5℃程度で排卵後スムーズに高温期に移行し、高温層が12~14日なら理想的です。不妊でお悩みの方はこのような基礎体温ではない場合がほとんどです。

 

高温期が短い場合

低温期は正常だが、高温期が12日未満の場合は、腎陽虚(じんようきょ)で、暖める力が弱い体質です。西洋医学的には黄体機能不全です。

 

 

 

低温期が長く高温期が短い場合は、陽虚寒宮(ようきょかんきゅう)、淤血(おけつ)です。子宮が冷えて、血液の流れも悪い状態です。

 

高温期が不安定な場合

低温期は正常だが、上昇もあまりスムーズでなく高温期が不安定で後半になるとやや下がってしまう場合です。このタイプは、脾腎不足(ひじんふそく)、肝鬱(かんうつ)です。脾や腎のエネルギー不足だったり、ストレスの影響があります。

 

 

低温期は正常だが、高温期が蓋こぶのようになっています。このタイプは脾虚気血不足(ひきょきけつふそく)腎陽虚(じんようきょ)です。気や血が不足しています。

 

 

高温期が高すぎる場合

低温期と高温期の温度差が0.5℃以上で、低温期は正常もしくは短い傾向にある場合です。このタイプは、水不制火(すいふせいか:腎陰が火を制することができない)、陰虚陽亢(いんきょようこう:陰が不足し余剰の陽がたかぶった状態)です。

 

高温期が長すぎる場合 

黒腺の高温期は妊娠した場合ですが、赤腺では高温期が長く月経が始まっています。この場合は西洋医学的には黄体不全萎縮で、東洋医学的には陰虚心肝気火淤血(いんきょしんかんきかおけつ)という状態で陽がたかぶって火になってしまい、それに血の流れが悪い状態を兼ねています。

 

高温期への移行期間が長すぎる場合

このタイプは、高温期への移行がゆっくりです。腎陽虚(じんようきょ)、肝鬱(かんうつ)で、西洋医学的には、プロラクチンが高い人が多いです。ストレスの影響もあります。

 

 

このタイプは、高温期への移行がゆっくりで波があります。腎陽虚(じんようきょ)、肝鬱気滞(かんうつきたい)、淤血(おけつ)があります。西洋医学的には排卵困難だったりプロラクチンが高い人が多いです。

 

低温期は正常で高温期のみ波動が激しい場合

このタイプは腎陽虚(じんようきょ)に肝鬱(かんうつ)を兼ねています。プロラクチンが高い人が多くストレスに弱い体質です。

 

 

低温期、高温期ともに波動が激しい場合

このタイプは、腎虚(じんきょ)、肝鬱(かんうつ)、少陽疏泄不利(しょうようそせつふり)を兼ねています。プロラクチンが高かったり、自律神経が不安定な方です。

 

卵胞期も黄体期も短い場合

このタイプは、低温期も高温期も短いために月経周期自体が短いです。(23日未満)東洋医学的には、陰虚火旺血熱(いんきょかおうけつねつ)で非常に熱が盛んなタイプです。この状態では、腎陽を補うことが中心の周期療法は不適当です。滋陰降火、涼血という方法で体のバランスを整えます。

 

高温期が低い場合

このタイプは高温期はあるものの、低温期と高温期の温度差が0.3℃未満で高温期が低いタイプです。黄体機能不全が疑われます。東洋医学的には腎陽虚(じんようきょ)です。暖める力をつけます。

 

高温期が無い場合 

このタイプは高温期がありません。排卵が無い場合が多い。東洋医学的には腎気虚弱(じんききょじゃく)、天癸不足(てんきふそく)、気血淤滞(きけつおたい)という状態です。子宮卵巣の働きを良くし、気血の流れを良くします。

 
 
 
このように、基礎体温のタイプの違いによっても、東洋医学的な体質を推測することが出来ますのでとても参考になります。基礎体温表を付けているのであれば、ご相談時にぜひお持ちください。

中国漢方不妊症周期療法

この治療法は、女性の月経周期の生理特徴により中医理論と西洋医理論を結合して作った、新たな治療法です。

[適応症]

1.月経周期が正常な不妊者

 2.気血陰陽虚を主とする虚証の不妊者

 3.内分泌失調、卵巣の機能不全の不妊者

 4.長期に治療しても効果が出なかった不妊者

 

この治療方法は、適応しない体質の方もいらっしゃいます。詳しくはご相談ください。

生理周期に合わせ、月経期、低温期、排卵期、高温期にそれぞれ異なった漢方薬を使う方法です。

不妊症Q&A

Q:基礎体温はちゃんと高温期と低温期になり排卵もしているように思いますが、なかなか妊娠しません。

A:ホルモンの分泌や排卵が正常でも、子宮の内膜が充分に厚く、軟らかく、子宮内部は暖かく、血流が充分で栄養がしっかり供給される状態でなくては妊娠しにくいです。こういった妊娠に必要な体をつくるということが最も重要です。こういう方は漢方ではこのような妊娠しやすい子宮にすることを目標にします。

 

Q:なかなか妊娠しませんが、生理痛や生理不順もあります。同時に治すようなことはできないでしょうか?

A:漢方の不妊治療は、より良い状態で生理が来るようにすることを目標とします。ですから不妊症の漢方では同時に生理痛や生理不順が良くなるのが当たり前なのです。

 

Q:二人目がなかなか出来ません。二人目不妊に効く漢方薬もあるのですか?

A:二人目不妊の方は、多くは一人目の妊娠出産後の養生が悪かったり、育児などのストレスなども関係します。体質や症状に合った漢方薬なら二人目不妊の場合も効果があります。

 

Q:予算はどのくらいかかりますか? 一度にいただける漢方薬は何日分でしょうか?

A:周期療法の場合は1ヶ月3万円くらい、周期療法でない場合は1万~2万円くらいです。ただし、体質の違いやや問題の多少によって予算の幅があります。一般的には、生理周期の1ヶ月を1クールとして漢方薬をおのみいただいて様子をみます。

 

Q:産婦人科での検査結果は必要ですか?基礎体温は必ず測らなくてはいけませんか?

検査結果は参考になります。ただし、検査結果だけで漢方薬が決まるのではなく西洋医学ではあまり意味のない不定愁訴や婦人科とは関係ない症状のほうが重要な場合が多いです。必ず必要とは言えません。基礎体温は、神経質な方はかえって測らない方が精神衛生上良い場合もあります。詳しくは御相談ください。

 

Q:病院で不妊治療を続けています。漢方の周期療法を並行して行うことはできますか?

A:はい、出来ます。病院のホルモンなどの副作用を軽減することも出来ますし、体外受精や顕微受精などの場合も、卵胞の成長を良くしたりグレードの良い卵胞を作ったりすることから着床しやすい子宮をつくるといった、病院での不妊治療を側面支援するようなことも可能です。

 

不妊症の症例

2人のお子さんを、いずれも漢方の不妊治療で授かった症例 

Aさん  29歳  身長157cm 体重47Kg

 結婚して2年近くになるが妊娠しない。

 生理の状態 :33日周期でやや経血量が多い。生理痛が激しく、腹痛だけでなく腰痛も伴う。痛みは生理の始まる前日から生理の3日目まであり1日目と2日目がひどい。基礎体温は2層になるが高温期が不安定である。

イライラしやすく足腰がすぐにだるくなる。足は冷えやすいが少しのぼせやすい。食欲、二便正常。 舌の両側部に淤斑がある。

調肝益腎という目的で、逍遥散と六味丸を中心にし、補助的にビタエックス(胎盤エキス)を使用し、さらに月経前のみ活血化於の目的で折衝飲を使いた。

数ヶ月で月経痛は軽減し腰痛も軽くなった。その後翌年の6月に初めて妊娠した。しかし、胎児が育たないので翌月流産し子宮内を掻爬した。流産の後、貧血めまいなどの症状が出てきて気血両虚の症候があるので、2ヶ月間のみ十全大補湯をおのみいただき、月経が以前と変わらなくなった頃から、また前の方剤に少しずつ、ゆっくり戻していった。平成4年2月に再び妊娠した。今度は流産防止の漢方薬を妊娠中ものみつづけ、無事に早産することなく出産した。

 

 2年後に再度来局。出産した男の子も順調に成長しているが、出産して2年近く経つのに2人目ができないのでまた漢方療法をやりたいという。この時は前回の漢方薬を基にして同様な周期療法をやり、わずか4ヶ月で2人目を妊娠し無事出産した。

 

考察および感想:

 若いのに、イライラしやすくのぼせやすい腰がだるいという更年期みたいな症状があるのは腎虚だからです。腎虚の人は妊娠しにくいし、流産や早産もしやすい。 中国の書物を読むと、流産しやすい状況は腎気不固が多く、妊娠中に胞宮(子宮)をしっかり閉じていることが出来ないのだと書いてある物が多い。

1800年前の書物である金匱要略に妊娠中の安定に当帰散(当帰、芍薬、川きゅう、黄岑、朮)が記載され、手軽なエキス製剤としてこの処方構成に近い当帰芍薬散(当帰、川きゅう、芍薬、茯苓、朮、沢瀉)が一般的によく使われるが、私は流産防止の目的でこれらの処方を使うことはすくない。補腎の効能をもった薬味が全く配合されていないからです。中国では、杜仲、続断、桑寄生、山薬などの補腎薬が配合された泰山盤石散や千金保孕丸などがあり、中国から来た中医師によれば、これらの方がずっと効果があり安全だという。

 

 日本で手軽に求めることの出来る漢方製剤では、妊婦さんの体質にもよるが、婦宝当帰膠とビタエックス(胎盤エキス)を同時に使用することを勧める事が多い。胎盤は紫河車といって、れっきとした漢方薬であり益腎益精の効能と養血補気の効能を同時に持っているからです。

 

近況:

 Aさんは、お子さんが風邪をひいたり咳が出たりご本人の腰痛がひどい時、そのたびに今でも漢方薬を買いにみえる。2人のお子さんもだいぶ大きくなった。

 

卵子の状態が良くない方の体外受精との併用の成功例

Bさん 35歳 身長161cm 体重53Kg

結婚して8年目になるが一度も妊娠しない。5年くらい前から病院で不妊治療を受けて

 いた。最初は排卵誘発剤などを使いタイミング妊娠法をやっていたが卵胞は排卵時で18ミリ程度とやや大きさが小さいためか妊娠せず、その後人工授精を5回、その後体外受精を勧められ3回行ったが妊娠しなかった。病院の先生の説明では、採卵できる卵子の数が少ないのに加え卵子の状態が良くなく、受精卵を体内に戻しても、普通の人にくらべ妊娠の確率が低いということで、5ヶ月前に治療を中断した。そんなわけで、漢方で卵子の状態が良くなれば、もう一度体外受精をやってみたいという希望をお持ちだった。

生理は、28日周期で正常。生理痛は軽い。足は冷えるが上半身はのぼせやすい。基礎体温は、2層になるが若干波動が大きい。排卵日頃になっても、透明なおりものは増えない。食欲、二便正常。髪の毛が抜けやすく、腰がだるいことがある。ご主人は検査の結果まったく異常は無い。

 今までの経過

 Bさんは卵子の状態が悪いので、卵子が成長する時期の低温期を特に重視した周期療法を試していただくことになった。

いつものむもの   婦宝当帰膠  ビタエックス

生理中  きゅう帰調血飲第一加減

低温期 参茸補血丸  星火亀鹿仙  温経湯

高温期 いつものむもののみ

この組み合わせで2ヶ月続けたところ、体調は特に変化は無かったが、若干肌が潤いが良く なり、2ヶ月目の排卵日前後には今までなかった透明なおりものが増えてきた。

3ヶ月目からは、今までの漢方薬に加え、生理の開始10日目から冠元顆粒を5日間だけ加えておのみいただき、病院の治療も再開した。11月に採卵した時の卵子は、3つのうち2つはグレード2の状態であった。いままで採卵できたのは、グレード3か4であったので採卵した先生が驚き、漢方の周期療法のことを話すと、体に合っているようだから続けるように言われた。

 通算で4回目の体外受精で妊娠した。現在流産防止と体調維持のためとして、婦宝当帰膠と胎盤エキスを服用した。

予定より3週間ほど早かったが、正常分娩で2700gの男の子を出産。

 

考察:

 Bさんだけでなく、鹿茸、亀板膠、紫河車などの動物由来の生薬が配合された漢方薬を適切に使いながら周期療法をすることで卵胞の成長や卵子の状態が良くなる方は多い。着床のためのお体の環境を整えたり卵子の状態を良くしたりするのは東洋医学の方が、西洋医学より優れている点だと思う。

 

 近況:

Bさんは、今でもカゼをひいたり体調を崩したときに、おいでになることがあるがお子さんは元気に育っている。

 

いかがでしょうか。

このように、かなり難易度の高い不妊症でも漢方は効果があります。補腎薬の多くや動物由来の成分を含有した漢方薬は、病院では処方できません。川口漢方薬局ならではの食養生や生活養生法のアドバイスも出来ます。ぜひ、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

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