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自律神経失調・メンタル疾患・パニック障害

自律神経失調で起きる様々な症状

   めまい、ふわふわ感、立ちくらみ、頭痛、神経性の頻尿動悸、息切れ、胸の違和感 など

女性特有の症状     月経前症候群、分娩後自律神経失調症

子供の症状       起立性調節障害、自家中毒(周期性嘔吐症)

 

自律神経とは?

私たちの体は2つの神経に支配されている

神経という言葉が初めて登場するのは、江戸時代(1774年)の有名な医学書「解体新書」です。神気の「神」と、漢方医学でいう経脈の「経」とを組み合わせてできた造語です。

神経は、私たちの体にネットワークを作り、私たちの体を支配していますが、神経そのものは大きく中枢神経と末梢神経に分けられます。中枢神経は、脳と脊髄を支配する神経で、体のコントロールセンターに相当します。

一方、末梢神経は全身に網の目のように張り巡らされた神経で、脳の命令を伝えたり、逆に末端からの情報を脳に伝えます。中枢神経が電話局とすれば、末梢神経は各家庭にはり巡らされた電線のようなものです。そして、末梢神経は運動神経系、近く神経系、および自律神経系という3系統に分類されます。

 
 
自律神経は自分の意志とは無関係に働く
 
末梢神経の中で、運動神経は手足を動かしたり口をとがらせたりする神経で、自分の意志で自由に動かすことが出来ます。また、知覚神経も光を感じるなど、運動神経と同様に自分の意思に従います。
 
ところが、自律神経は自分の意志とは無関係に、心臓や胃腸、汗腺などの働きを調整している神経のことです。例えば、心臓の鼓動の早さや汗は、自分の意志とは無関係にコントロールされていますが、この働きを行っているのが自律神経なのです。
 
一見、これは不便なようにみえますが、実はまことに巧妙なしくみになっています。もし、心臓が自分の意志で動くのであれば意思の働かない眠っている間は止まってしまうからです。さらに、運動神経と自律神経が連携して働く場合もあります。尿意は自律神経の意思で催しますが、それを我慢するのは運動神経の働きです。呼吸の場合も、普段は自律神経の働きで呼吸していますが、運動神経を働かせて深呼吸する事ができます。
 
 
自律神経には、交感神経と副交感神経がある
 
自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経がお互いに逆の働きをすることで体を調節しています。
 
心臓を例にとってみます。人が恐ろしい目にあったとき、心臓の鼓動はドキドキと早くなります。これは、交感神経が緊張したためです。恐怖が去ると、やがて心臓の鼓動はもとどおりゆるやかになりなります。副交感神経が働いて、心臓の鼓動が平常に戻ったのです。
 
 胃や腸の場合は逆で、交感神経が緊張すると働きは鈍くなり、副交感神経が緊張すると活発になります。このように交感神経と副交感神経は綱引きをするようにバランスよく働いて体を調節しているのです。
 
 
自律神経の働きで体温も血糖値も一定に保たれている
 
自律神経は体の機能を自動的に調整するマイコン装置みたいなものです。
 
 
自律神経は体のリズムも調節している
 
人間の一日の生活の中で、日中の活動的な時間帯には交感神経が優位に働き、反対に夜間には副交感神経が優位に働き、休養や睡眠をとりやすい状態に調整されます。また、季節のうちでは、夏は交感神経が優位になり冬は副交感神経が優位になります。一生の間では、発育期や働き盛りは交感神経が優位で、老年期に入ると副交感神経が優位になります。また、男性と女性でも体のリズムは異なります。
 
 
自律神経系は、ホルモン系や情緒と関係が深い
 
自律神経系はホルモン系や情緒・ストレスと密接に関係し、ホルモン系の乱れによって自律神経が乱れたり、ストレスや情緒の変動によって影響を受けます。逆に、自律神経系が乱れているためにホルモン系のバランスが悪くなったりストレスに弱くなります。

漢方ではこう考える

自律神経の働きは、漢方ではおおむね「肝」、「心」として捉える。

肝の働きの失調

息切れ、動悸、耳鳴り、胃腸の調子がおかしいなどの身体症状

肝は、西洋医学でいう肝臓のみならず、自律神経や中枢神経の一部、血液循環の調節、血液の貯蔵庫としての働き、胆と表裏の関係にあり、筋や目と深い関係にあります。

 

 

心の働きの失調

ちょっとしたことでも気になって仕方がない、くよくよする、ゆううつ感が強いなど精神症状 

心は、西洋医学でいう心臓のみならず、大脳の働きの一部も含まれます。思考能力、意識なども心の働きによるものです。また、心は小腸と表裏の関係にあり、舌とも関係が深いとされています。

 

漢方は総合療法

漢方では、お体のバランスの崩れを総合的に整えます。

例えば、自律神経失調の症状とホルモンバランスの乱れ、ストレスや胃腸が弱いなどの体質を同時に良くすることが出来ます。

Q:胃腸が弱く、普通の西洋薬が合わなくて飲めないものが多いです。こんな体質でも漢方薬は大丈夫でしょうか?

胃腸の調子を整えながら、自律神経のバランスを整えるように働く漢方薬もありますので、同時に良く出来ます。

 

Q:動悸や不安に悩まされています。のぼせや生理不順などもあります。同時に良くすることはできますか?

自律神経の乱れとホルモンバランスの乱れは相互に関係があります。一緒に良くすることが出来ます。

 

Q:長いこと精神安定剤や睡眠導入剤を服用しています。漢方と併用できますか?

併用出来る場合が多いです。現在お飲みになられている西洋薬をお知らせください。

 

Q:予算はどのくらいかかりますか? 一度にいただける漢方薬は何日分でしょうか?

1か月、1万5千円~2万円くらいです。ただし、体質の違いやや問題の多少によって予算の幅があります。一般的には、2週間程度を1クールとして漢方薬をおのみいただいて様子をみます。

 

Q:漢方は効き目がわかるのに時間がかかると思いますが、どのくらい飲めば効き目がわかりますか?

病歴や症状によっても変わってきますが、2週間から1か月程度で何らかの症状が改善したり体調が良くなったり変化がみられる場合が多いです。中には、動悸や息切れなどの症状が30分ほどで収まるような即効性のある漢方薬もあります。

自律神経失調・パニック障害の症例

動悸・息切れ、パニック障害の症例

Aさん 33歳 女性 153cm 43Kg

職場の人間関係などでストレスが多く、通勤中の電車の人混みにまみれると、ひどい動悸がして、病院ではパニック障害と言われた。

ひどい動悸だけでなく、不眠、悪い夢を見る。ストレスが多くなった頃から生理が遅れるようになり、吐き気や食欲のむら、時々下痢するようになり、体重が減少した。普段から冷え性で手足が冷たい。

生理は28~30日で来る時と50日くらいになる時があってまちまち。生理痛は軽い時と激しい時がある。食欲が旺盛で食べたい時には食べ過ぎてしまうが、その後に下痢になってしまう。下痢の後は食欲がなく吐き気がひどくなる時もある。

 

今までの経過

ストレスによってホルモンバランスと自律神経のバランスが同時に悪くなっていて、胃腸にも影響が及んでいるので、これらが同時に良くなるような処方を組んだ。

いつものむもの

逍遥散  香砂六君子湯     寝る前のみ 感応丸

パニックの症状が出てひどい動悸があるとき

感応丸 頓服

通勤中にひどい動悸がした時に感応丸をのんですぐに収まった。劇的な効果なのでびっくり。それからは通勤時に電車に乗ることがストレスにならなくなった。

2か月程度の服用で胃腸の調子が良くなって吐き気や下痢を起こさなくなった。まだ生理不順はあまり変わらない。

いつものむもの

逍遥散 婦宝当帰膠 の組み合わせに変更

寝る前に感応丸

パニックのお守り代りにいつも感応丸を持っていただいた。

さらに3か月ほど続けた時点で、体の冷えを感じなくなり血色が良くなって、職場の仲間にも元気になったねと言われるようになった。体重がもとに戻りつつある。これ以後も1年程度、婦宝当帰膠だけを続け、感応丸はお守り代りにいつも持っていてもらったが、使うことはなかった。1年程度で生理がほぼ順調になった。

 

考察

ストレスなどで自律神経のバランスとホルモンバランスが崩れて、胃腸の調子も悪くなっていましたが、全て良くなりました。

 

近況

Aさんは結婚されていてお子さんもいらっしゃいます。胃腸の調子がすぐれない時やカゼを引いたときなどには、漢方のカゼ薬を買いにお見えになります。感応丸は熱が出たときやお子さんの情緒不安定にも良いので愛用されています。

不眠症を伴う自律神経失調症

 

 

Bさん 47歳 女性 165cm 57Kg

若いころから睡眠は良くなかったが、4~5年前から寝つきがさらに悪くなり、肩こり、頭痛、めまいが起きるようになった。時々のぼせて汗が出る。病院では更年期障害だと言われ、ホルモン剤を薦められたが、子宮筋腫がありガンのリスクが高くなるのでのんでいない。

食欲普通、時々便秘気味になる。月経は正常。若干血圧が高い 皮膚が乾燥しやすい。

 

今までの経過

天王補心丸 きゅう帰調血飲第一加減 酸棗仁湯 

を2か月続けて寝つきがかなり良くなった。肩こりや頭痛も軽減した。

その後、星火亀鹿仙 きゅう帰調血飲第一加減 酸棗仁湯に変更したところ、約1年の継続でのぼせやほてり感が無くなった。子宮筋腫は大きくなっていない。

 

考察

年齢的なホルモン分泌の低下と、子宮筋腫があり於血が明らかだった。40歳を過ぎるとだんだん体が乾きやすくなってのぼせやほてりが起きやすくなる。これを陰虚ととらえて滋陰清熱の働きのある星火亀鹿仙を加えてからのぼせやほてりが無くなり、体調が良くなったようです。

 

近況

Bさんは、更年期を過ぎた今も星火亀鹿仙を続けていらっしゃいます。飲んでいるほうが皮膚の乾燥が少ないし、疲れにくいそうです。

 

いかがでしょうか。

このように、自律神経失調でも、体質や症状で適切な漢方薬が異なります。自律神経失調・パニック障害でお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。

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